無呼吸・いびき外来

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠中に無自覚に呼吸が弱まったり、止まってしまう状態を繰り返すことを睡眠時無呼吸症候群と呼んでいます。睡眠時無呼吸症候群は脳や神経の異常によって起こる中枢型と、肥満、扁桃腺の腫大、顎の骨格が小さいことなどを原因として起こる閉塞型に分けられます。当院では多くの方が悩んでおられる閉塞型睡眠時無呼吸を中心に診療を行っています。
閉塞型睡眠時無呼吸は、睡眠中に筋肉が脱力した結果、舌の根本が気道を閉塞した結果、呼吸が止まってしまう状態で、睡眠中の1時間あたりに5回以上の無呼吸があれば睡眠時無呼吸症候群となります。典型的には、体格のよい方に起こりやすいのですが、やせている方でも顎の骨格が小さいと生じる可能性があります。典型的な症状はいびき、日中の眠気、朝起きられない、睡眠中に目が覚める、疲れが取れないといったものです。無呼吸があっても症状のない方もいますが、寝ている間に何度も呼吸が止まり、体内の酸素濃度が下がることで、体には大きなストレスがかかってしまいますので、その結果、血圧が上昇し、将来的に心臓や脳の疾患につながる可能性もあります。
睡眠時無呼吸症候群

無呼吸外来の実際

睡眠時無呼吸の疑いがある方には、まず自宅でできる簡易検査を受けていただきます。鼻と指と腹部にモニターを装着して、睡眠中の無呼吸の回数を簡易的に評価する検査で、当院では2晩の検査をお願いしています。2週間ほどで結果が判明しますので、その結果に応じて治療法を提案いたします。
睡眠時無呼吸 検査・治療の流れ

簡易検査の結果、軽症の睡眠時無呼吸と考えられる場合(♢)

1時間あたりの無呼吸回数が5~15回であれば、軽症の睡眠時無呼吸と考えられます。治療法として、マウスピースの作成をお勧めしています。無呼吸治療用のマウスピースを装着すると、下顎が前方に移動し、その結果気道の通りが改善し、いびきや無呼吸の発生を予防する治療です。当院ではマウスピースの作成を歯科に依頼していますので、歯科をご紹介いたします。

簡易検査の結果、中等症の睡眠時無呼吸と考えられる場合

1時間あたりの無呼吸回数が15回から40回までの方には、PSG検査を受けていただきます。PSG検査とは精密な無呼吸検査で、呼吸の状態、酸素飽和度の評価に加えて、脳波、心電図、姿勢なども評価し、より詳細に無呼吸の評価を行う検査です。 一般的にPSG検査は1泊検査入院となりますので、入院検査可能な医療機関へご紹介しており、検査費用は3割負担の場合、3~5万円程度となります。 当院では自宅でPSG検査を受けていただくことも可能です。その場合は提携している検査会社より自宅へ検査機器が届きますので、その機器を使用して検査を行っていただきます。検査費用は3割負担の場合で11,000円程度です。検査終了後に検査機器を返送していただき、約1ヶ月後の結果説明となります。

PSG検査の結果、軽症の無呼吸と判定された場合

PSG検査の結果、1時間あたりの無呼吸回数が20回未満の場合、軽症の睡眠時無呼吸としてマウスピースの作成をお勧めします。(上記♢参照)

PSG検査の結果、中等症の無呼吸と判定された場合(☆)

PSG検査の結果、1時間あたりの無呼吸回数が20回以上の場合、中等症以上の睡眠時無呼吸としてCPAP療法を提案します。 CPAP療法とは、睡眠中に鼻(もしくは鼻と口)を覆うマスクを装着し、気道が閉塞しないように、本体の装置から常に圧力をかけておくことで、いびきや無呼吸が起こらないようにする治療法です。CPAP療法を受けられる方には、1-2ヶ月毎の外来受診をお願いしており、3割負担の場合で、1月あたり4,000~5,000円程度の診療費がかかります。

簡易検査の結果、重症の睡眠時無呼吸と考えられる場合

1時間あたりの無呼吸回数が40回以上の重症の方は、PSG検査を省略して、CPAP療法を導入することができます。(上記☆参照)

無呼吸やいびきでお悩みの方へ

睡眠時無呼吸症候群を原因とする日常的な不調は、適切な治療で改善することができるものです。また、無呼吸に対する治療でいびきも改善できます。お悩みの方は当院までご相談ください。なお、簡易検査機器は貸し出し中の場合がありますので、来院される日程がお決まりの場合は、事前に睡眠時無呼吸の検査をご希望の旨をご連絡いただくとスムーズに検査を受けることが可能です。