ワクチン外来に関するお知らせ

当院ではワクチン外来を行っています。

現在当院で取り扱っているワクチンは以下のとおりです。

なお、当院では3歳以上の方よりワクチン接種を行っています。

ワクチンは在庫を用意していますが、希望日に確実に接種するために、事前のご連絡をお願いしています。

 

小児(3歳以上)

・定期接種(自己負担なし)

 

 1. 日本脳炎ワクチン

 2. MRワクチン(麻疹・風疹ワクチン)

 3. 子宮頸がんワクチン(ヒトパピローマウイルスワクチン)

 

成人

・定期接種(公費補助あり)

 

 1. 肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)ー 4,200円(税込)

 2. インフルエンザワクチン ー 1,500円(税込)

 3. MRワクチン(麻疹・風疹ワクチン) ー 3,000円(税込)

 

成人(任意接種)

 

 1. 肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)ー 8,000円(税込)

 2. インフルエンザワクチン ー 3,000円(税込)

 3. MRワクチン(麻疹・風疹ワクチン) ー 9,000円(税込)

 4. ムンプスワクチン(おたふくかぜ)ー 4,400円(税込)

 5. B型肝炎ワクチン ー 4,400円(税込)

 6. 9価子宮頸がんワクチン(シルガード)ー 28,000円(税込)

 7. 帯状疱疹ワクチン(シングリックス)ー 22,000円(税込)

 


 

小児(3歳以上)

・定期接種(自己負担なし)

 

 1. 日本脳炎ワクチン(不活化ワクチン)

  蚊によって媒介される日本脳炎ウイルスの感染を防ぐためのワクチンです。

  日本脳炎ウイルスによる急性脳炎を発症すると、けいれんや意識障害が起こり、20-40%程度の方が死亡する可能性がある危険な感染症です。

  13歳までに合計4回ワクチンを接種する必要があります。

 

  第1期:1回目接種 3歳、2回目接種 1回目接種から1-4週後、追加接種(3回目) 2回目接種の1年後

  (第1期の標準的な接種時期は3歳から4歳ですが、遅くとも7歳6ヶ月までに3回目の接種を終える必要があります。) 

  第2期:9歳から13歳未満の期間で1回接種

 

  ※ 令和3年度は日本脳炎ワクチンの供給量減少に伴い、第1期の1・2回目接種の方が優先接種対象となっています。

   ただし、ワクチン生産体制は回復しつつあり、令和4年度には全ての接種対象者が接種できる見込みです。

 

 2. MRワクチン麻疹・風疹、生ワクチン)

  麻疹(はしか)、風疹を防ぐためのワクチンです。

  麻疹ウイルスは非常に感染力が高いため、免疫を持たない集団内で大流行する可能性があります。

  致死率は高くないものの、肺炎や脳炎のような重篤な病態になることもあります。

  風疹ウイルスは、特に妊娠前期の妊婦に感染すると、胎児の目・耳・心臓などに先天性の障害を引き起こす可能性があり、注意を要する感染症です。

  MRワクチンは7歳までに2回接種する必要があります。

 

  第1期:1歳から2歳未満

  第2期:5歳から7歳未満(小学校に入学する前年度、年長児が対象)

 

 3. 子宮頸がんワクチン(ヒトパピローマウイルスワクチン、不活化ワクチン)

  ヒトパピローマウイルス(HPV)は性交渉などを介して感染するウイルスで、子宮頸がんの発症に強く関連しています。

  性交渉を経験する前にワクチンを接種することで、感染リスクを低下させ、将来の子宮頸がんの発症を抑制することが期待されます。

  子宮頸がんワクチンは小学6年生から高校1年生までの期間に3回接種する必要があります。

  なお、当院では特段の事情のない限り、4価HPVワクチンであるガーダシルを接種しています。

 

  1回目 小学6年生から高校1年生までの期間

  2回目 初回接種から2ヶ月後(少なくとも1ヶ月以上空ければ接種可)

  3回目 1回目接種から6ヶ月後(2回接種から少なくとも3ヶ月以上空ければ接種可)

 

 ※ 子宮頸がんワクチンのキャッチアップ接種について

  子宮頸がんワクチン接種に対する積極的勧奨が控えられていた時期に、ワクチン接種を逃してしまった方(平成9年4月から平成17年3月までに生まれの女性)を対象に、現在キャッチアップ接種が行われています。令和7年3月まで無料で接種できますので、接種されていない方はこの機会でのワクチン接種をお勧めいたします。

 


 

成人

・定期接種(公費補助あり)

 

 1. 肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス、不活化ワクチン)

  肺炎の原因となる細菌の中で最も多いのが肺炎球菌です。肺炎球菌は子どもの鼻や喉に定着している菌で、咳やくしゃみを介して周りの人に感染します。
  肺炎の他に、副鼻腔炎や中耳炎、重症感染症である髄膜炎や菌血症まで引き起こす病原性の高い病原菌です。
  現在65歳以上の方に対して肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)の接種が定期接種(公費による補助あり)とされています(初回接種のみ、65歳・70歳・75歳等)。
  ニューモバックスの重症感染症に対する効果は約40%、肺炎に対する効果は約25%程度とされます。
  ニューモバックスの効果は年々弱まっていくことが知られていますので、5年以上の間隔をあけて再接種することできます。
  副反応としては注射部位の痛みや腫れがほとんどで、多くの場合数日のうちに自然に回復します。

 

  初回:65歳になる年度内

  2回目:初回摂取から5年後以降

 

 2. インフルエンザワクチン(不活化ワクチン)

  インフルエンザは毎年冬に流行するインフルエンザウイルスによる感染症で、発熱やかぜ症状が数日間続きます。

  一般的には軽症で済む感染症ですが、基礎疾患をお持ちの高齢の方では生命に関わることもまれではありません。

  インフルエンザは変異しやすく、その年によって流行株が変化するため、毎年予測に基づきワクチンが製造されています。

  そのため毎年インフルエンザが流行し始める前の10-11月にワクチンを接種しています。

  ワクチンの発症予防効果は 40-50% 程度とされますが、それ以上の重症化予防効果が期待できます。
  全国的に流行する感染症であり、ほとんどの方への接種がすすめられますが、特に推奨されるのは重症化リスクが高くなる、肺や心臓などに持病を抱えている方や65歳以上の方です。65歳以上の方は定期接種(公費による補助)の対象となっています。

 

  1年に1回:毎年10月-1月頃に接種

 

 3. MRワクチン(麻疹・風疹、生ワクチン)

  麻疹(はしか)、風疹を防ぐためのワクチンです。

  麻疹ウイルスは非常に感染力が高いため、免疫を持たない集団内で大流行する可能性があります。

  致死率は高くないものの、肺炎や脳炎のような重篤な病態になることもあります。

  風疹ウイルスは、特に妊娠前期の妊婦に感染すると、胎児の目・耳・心臓などに先天性の障害を引き起こす可能性があり、注意を要する感染症です。

  現在福岡市は妊娠希望者を対象に無料の風疹抗体検査を行っています(https://www.city.fukuoka.lg.jp/hofuku/hokenyobo/health/kansen/husinkoutaikensa_2.html)。

  風疹抗体の少ない方を対象に公費補助でのワクチン接種を行っています。

  妊娠中にワクチン接種は行えないため、妊娠をご希望の方は事前の検査、ワクチン接種をお勧めいたします。

 


 

成人

・任意接種

 

 1. 肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス、不活化ワクチン)

 

 2. インフルエンザワクチン(不活化ワクチン)

 

 3. MRワクチン(麻疹・風疹、生ワクチン)

  医療機関や保育施設で働かれる方で、ワクチン接種歴がない、罹患歴がない、麻疹、風疹抗体の少ない方に接種を行っています。

 

 4. ムンプスワクチン(おたふくかぜ、生ワクチン)

  おたふくかぜはムンプスウイルスによる流行性耳下腺炎を呈する感染症です。

  小児期に罹患すると軽症で済むことがほとんどですが、思春期以降に感染すると睾丸炎や卵巣炎を引き起こし、不妊の原因となることがあります。

  思春期以降で罹患歴のない方や医療機関や保育施設で働かれる方で、ワクチン接種歴がない、ムンプス抗体の少ない方には接種をお勧めします。

 

 5. B型肝炎ワクチン(不活化ワクチン)

  B型肝炎はB型肝炎ウイルスによる感染症で、感染すると急性肝炎(時に重症化の可能性あり)を引き起こします。

  血液や精液を介して感染します。

  平成28年4月以降生まれの方は定期接種としてワクチンを接種していますが、それ以外の方は通常ワクチンを接種する機会がありませんでした。

  不特定多数の方の血液に曝露するリスクのある医療従事者ではワクチン接種が必要です。

  B型肝炎ワクチンは3回の接種が必要です。

 

  初回

  2回目:初回接種から4週後

  3回目:初回接種から20-24週後

 

  3回接種の1-2ヶ月後を目処に、B型肝炎ウイルスに対する抗体(HBs抗体)が産生されているかを確認します。

 

 6. 9価子宮頸がんワクチン(シルガード、不活化ワクチン)

  現在定期接種に使用している子宮頸がんワクチン(ガーダシル)は4価のヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンです。

  HPVには複数の型があり、数あるHPV型の4種類に対するワクチンが4価ワクチンです。

  4価ワクチンは、日本における子宮頸がんの原因となるHPV型の65%をカバーしていますが、9価ワクチンでは88%をカバーしています。

  9価ワクチンは4価ワクチンと比較して、子宮頸がん発症予防効果の向上が期待されるのですが、現在費用負担の不要な定期接種には使用できません。

 

  1回目 小学6年生から高校1年生までの期間

  2回目 初回接種から2ヶ月後(少なくとも1ヶ月以上空ければ接種可)

  3回目 1回目接種から6ヶ月後(2回接種から少なくとも3ヶ月以上空ければ接種可)

 

 7. 帯状疱疹ワクチン(シングリックス、不活化ワクチン)

  子どもの頃に水痘(みずぼうそう)にかかった方では、水痘が治った後にも水痘・帯状疱疹ウイルスが体内の神経節というところに潜んでいます。
  このウイルスが長年潜んだ後に、ストレスや免疫機能低下を契機に再活性化し、帯状疱疹を発症することがあります。
  帯状疱疹は体の片側に痛みを伴う水疱として発症します。通常1−2週ほどで改善しますが、痛みが後遺症として残る場合があり、そうなると長年痛みに苦しむことになります。
  帯状疱疹の発症を予防するワクチンがシングリックスです。50歳以上の方へ2ヶ月間隔で2度接種することで、未接種の方と比べて、帯状疱疹の発症が97%も少なくなる高い効果のあるワクチンです。
  副反応としては接種部位の疼痛や発熱などがありますが、通常数日のうちに回復します。残念ながら定期接種の対象にはなっていませんので、自費での接種となります。
 
  初回
  2回目 初回接種から2ヶ月後
2022年06月13日