長引く咳の原因は? 咳の出やすい時間帯による違い

咳が長引くと身体的に消耗するだけではなく、コロナ禍においては周囲の人の視線も気になるものです。当ホームページ内の診療案内(https://yok-cli.com/examination/examination02/)では長引く咳の原因として、以下の代表的な3つの病態をご紹介しています。

 

  1. 1. 咳喘息
  2. 2. 上気道由来の咳(鼻炎、副鼻腔炎)
  3. 3. 胃食道逆流症(逆流性食道炎)

 

これらは咳を引き起こす原因となる部位によって分けたものです。それでは咳の出やすい時間帯によって、長引く咳の原因が分けられるのか考えてみます。

 

・日中の咳

いずれの原因の咳であっても日中に咳が出ることがほとんどです。ただし、日中にひどく咳き込むけど、夜間は咳で目が覚めることはほとんどないような場合、感染後咳嗽(風邪をひいた後に長引く咳嗽)が多い印象があります。

 

・夜間の咳

夜間ベッドに横になってから咳き込む場合は、胃食道逆流症による咳の可能性があります。横になった状態では、起きている時よりも胃酸が逆流しやすくなるため、咳を引き起こします。

また、心臓の機能が低下した心不全も、横になると心臓へ帰ってくる血液量が増え、心臓への負担が増すため、咳や息苦しさを引き起こします。

 

・深夜・早朝の咳

深夜、早朝の咳は気管支喘息に特徴的な症状です。夜間は交感神経のバランスの変化や気温の低下から気管支が収縮しやすく、喘息の症状が出やすくなります。

 

・起床後の咳

朝目が覚めてからの咳は、特に鼻水を伴うような場合、上気道(鼻炎)を原因とすることが多いです。特に寒い季節に昼夜の気温差が大きいと、鼻水が出て、それが喉を刺激して咳を引き起こします。

 

上記は代表的なものを挙げており、必ずしもこれに当てはまるとは限りませんが、長引く咳でお悩みの方が来院された時に、咳が出やすい時間帯をお伺いしているのは、原因を見つける参考となることがあるからです。

 

2021年12月12日