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新型コロナウイルス感染後の咳

新型コロナウイルス感染症の後遺症として咳が続くことがよくあります。咳が続く期間は数週間から数ヶ月にまで及びます。

咳が続く原因として以下のような理由が考えられます。

 

① 新型コロナウイルス感染に伴い生じた肺炎像が残存しているため

② 気道に感染した新型コロナウイルスが炎症を生じさせるため

③ 新型コロナウイルスが咳を引き起こす神経に感染するため

 

残念ながら、新型コロナウイルス感染後の咳に対する治療法として、確立したものはありません。

咳に対する一般的な治療薬が主体となりますが、以前からかぜをひいた後に咳が残りやすい方であれば、咳喘息の可能性を考慮して吸入ステロイド薬を使用する意義はあると考えられます。

また、吸入抗コリン薬はウイルス感染による咳感受性(咳の出やすい状態)を和らげることが知られており、新型コロナウイルス感染後の咳にも効果がある可能性があります。

咳を引き起こす神経への影響を抑えられると咳を減らせる可能性が高く、近日難治性の咳に対して発売される予定の薬が効果があるかもしれません(新型コロナウイルス感染後の咳に対して処方できるとは限らないのですが)。

 

長引く咳は体力を消耗させ、気も滅入らせてしまいます。コロナ禍にあっては周囲の視線も気になるものです。しかし、新型コロナウイルス感染後の咳には必ず終わりが来ますので、症状の強い間は薬を使用して凌げるようにサポートさせていただきます。

 

2022年02月27日